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長月(September)

1999


映画「グロリア」を観て/女の強さと、母性というもの


映画「グロリア」を観て/女の強さと、母性というもの

 シャロン・ストーンは美人だけれど、たぶん日本の男性にとっては敬遠されがちなタイプであろう。手ごわそうで、気が強そうで、美人で。ちょっと無理めな気がして気後れするのではないだろうか。

 私自身はシャロン・ストーンは嫌いではない。以前、知りあいからアンケートを頼まれて、“もしあなたが男性(男性の場合は女性)だったら、寝てみたい有名人は誰ですか”という項目で、シャロン・ストーン、と書いたら「チャレンジャーだねー」と言われてしまった(そう言ったのは女性ですが)。まあ、確かに、相手にはされないかもしれないけどね。映画『氷の微笑』のイメージがあるのでしょう、多分に。

 なぜシャロンが嫌いではないか、というのはまあ一言でいえば、強い女であるから、ということかもしれない。気の強さ、精神的な強さ、運の強さ、それらすべてを含む強さが彼女にはある気がする。でもたぶん強く見える表の顔の裏には隠れている弱さもあるだろう、そんな想像が膨らむ。しかし気の強い女性というのは身近にいると苦手なのだけれど、スクリーンやテレビなどで観ているぶんには私にとっては憧れの対象なのだ。古いところでは昔のテレビシリーズ、『バイオニック・ジェミー』や『チャーリーズ・エンジェル』の、強くてチャーミングで(なぜか金髪美人に憧れる私。あはは)知性的で情もある、女主人公たちも好きだった。それはたぶん私にないものを、彼女たちが持っているからなのだろう。

 さて前置きが長くなったが、映画について。内容についてはよく知らなかったが、そのシャロンが主演ということで、先月下旬に九段会館で開かれた試写会に行ってみた。

 全体的には、『ニキータ』と『レオン』をミックスしたような内容。マフィア仲間で恋人の罪を被って服役していたグロリア(シャロン)が出所し、かつての仲間達のもとへ向かうと、彼らが巻き起こした事件のために家族を失い、捕らわれの身となったプエルトリコ系の少年がいた。グロリアはもう男のいいなりにはならないと、少年を道連れに逃避行を決行するが、少年に託されているフロッピーはマフィアの組織にとっての重要な鍵であった。組織は彼らを追うが……というものである。

 序盤から中盤の逃避行まではなかなか楽しめた。少年とグロリアのコンビの掛け合いやユーモア、アクションなどなど。でも残念だけど個人的には、中盤から終盤はいまひとつのれなかった。グロリアの少年に対する感情が“同情”“邪魔者としてのいまいましさ”“同胞としての仲間意識”から“母性を刺激される家族”へと変化していく過程が、どっぷりと情に流されていくのがまっとう過ぎて、映画としての面白みが弱かったのかもしれない。

 最近のハリウッド映画のオチには飽き飽き……なんて思ってる私ですが、最後になんかもうひとオチ欲しかった気がしてしまうのは、ハリウッド映画に染まってしまっているってことなんでしょうか。

 というわけで、中盤以降はなんとなく集中力散漫になり、シャロンにちょっとだけ雰囲気が似ている友人のことなぞ考えながら観てしまった。私の高校時代の友人・ハルは、シャロンのクールさにややプリティさを加えた感じ。あの面長な顔の感じとか、目鼻だちとか、スリムな感じ(背は高くないけれど)とか、どことなく似ているのですな。なぜその映画を観ていて友人ハルのことを思いだしたかというと、だんだんにシャロンが少年に対して“母性”を募らせていくさまを見ていたからである。

 かつて友人・ハルは、「子どもって大嫌いだし、欲しいとも思わない」と言っていた。性格も気が強いのが人付き合いの全面に出るほうではないが、極めてクールであった。でもいざ身ごもってみると、「超音波で初めて赤ちゃんの写真を見たら、赤ちゃんの手が私に“バイバイ”ってしたの」などと嬉しそうに言うのであった。自分で自分の感情の変化にびっくりしたと言っていたが、私もそんな彼女を見て“やっぱり女には母性本能というものが備わっているのだなあ”としみじみ感じたものだ。

 ただしシャロン演じるところのグロリアと少年の関係には、血の繋がりはない。果たして、ともに危機を乗り越えともに時間を過ごすことで生まれる連帯感は、たやすく血の繋がりを超えて“母性”を募らせるのか……というのが、まだ子どもを持った経験のない私の正直な思いだった。でも結婚したり養子をとったり、家族の始まりってもともとは血縁とは関係ないところから生じることであるわけだし、血縁だからって必ずしもいい関係を結べるとは限らない。

 まっとうに落ち着きすぎた映画のラストでちょっと拍子抜けしつつ、やはりここは孤独なふたりがそうなるしかなかったのかな、と納得せざるを得ないような不満のような、複雑な想いで席を立ったのだった。

(9/13 up dated)


※種をまくのが遅かったせいで、ただいま朝顔が連日満開。暦は秋でもまだまだ暑いっすねー。

先日日曜はとあるネット仲間のオフ会があり、恵比寿ガーデンプレイスの展望レストランでランチしてきました。VAIOでカメラが付いた機種を持ってきた人がいて、デジカメみたいにパソコン画面で写真とって遊びました。いいなー、あれ欲しいなあ。楽しかったですー、お会いした方々への個人的コメントはまた後日お送りいたしますー。●●さん、●●さんたち、もしやこれ読んでます? 

そのあとは沖縄旅行のため友人にビデオを借りに行き、さらに夜は沖縄にともに行く友人と最終打ち合わせ。久々に友人知人と会うスケジュールびっちりの休日でした。さていよいよ来週は沖縄、死んでも行くために仕事、仕事! 


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