1999
●映画における男と女のすきま風(6/28 up deted)
先日、仕事がらみの男女数名の方々と食事をしているとき、映画に関する話になった。面白かったのは、映画そのものの話題よりも、観る人のいろんな思惑の話。男性としては、好きな人と観に行くときは、彼女を他の男の隣に座らせたくないから席を選ぶとか、ラブシーンが出てきて思わず生つばゴックンしてしまった音が彼女に聞こえそうで恥ずかしい、という話やら。女の方はあんまりそういうこと気にしないと思うのだが、男性はけっこう気にするのだろうか。たとえば、デートに誘うときどのような映画にするか。男性からよく聞く意見は、「タイタニックは女と観に行く映画だろう」ということ。そのときも男性の一人がそう言った。そのとき、その場にいた女性(私含む)3名、異口同音に「えー?」。男女のすきま風はこういうところから吹き、すれ違うのではないだろうか。それとも、私たちのほうが少数派?
後日、女友達の何人かに「誰とどういう映画を観たかって覚えてる?」と聞いてみたが、ほとんどの答えが「あんまり覚えてない」というものであった。女って、意外とそんなものである。
私などは高校生のときぐらいから観たい映画は一人でも観に行ってしまうほうだったので、“誰と観るか”にはあまりこだわりがなかった。確かに高校生ぐらいのときは、自分が観たい映画を「好きな人と観に行きたいなー」などと思ったこともあったが、誘う勇気と努力を考えると、女友達と行くほうが気楽でいいや、などと思うタイプであった。それに明らかに映画の好みが違う相手を、好きではなさそうなジャンルの映画に誘ってもなんだし、ということで、私は基本的に映画は一人で観るか、もしくは双方が「これが観たい」と意見が一致した友人などとしか観に行かない。
とはいいつつも、ふとこれまで男性と観に行った映画を思い起こせば、シチュエーション的には明らかに“失敗”のパターンである。それは、「Wの悲劇」、そして「7月4日に生まれて」。どちらも私が選んだものであったが、観終ったあと話題が弾むたぐいのものではなかった。泣けるほどではなかったし。でもしょうがない、そのときはそれが観たかったんだから。やっぱり女は、いや私は、計算で映画を選ぶのがへたなのかもしれない。だけどいいよね、観たい映画を観たいときに観れば。
それにしても、とある人と一緒に観た最初で最後の映画が「Wの悲劇」だなんて、まさにタイトルどおり“ダブルの悲劇”ってな気もする。どうせならさ、もっといい映画にしておけばよかったとか、今になって思ったりして。でもこれ、何年か経ってテレビで観たとき、薬師丸ひろ子のラストのセリフがボディブローでききましたっけ。あのときぐらいかなあ、2回目に観て、映画の本筋とは関係なく不覚にも泣けてしまったのって。1回目には泣かなかったのに。
この頃は大人になったのか、一緒に観に行った相手が自分と違う意見なのも面白いと思えるようになってきた。うーむ、そろそろ“一人で映画鑑賞主義”、撤回してみるのもいいかな。
ここのところ、若手ミュージシャンの訃報が相次いでいる。特に、Doubleは音楽的にこれからが楽しみな存在だっただけに、残念だ。25歳なのにねえ……。くも膜下出血とかいうと年配の人の病気という印象があるが、ミュージシャンって徹夜とかしょっちゅうだろうし、若いからといって無理や無茶は身体に毒なんだよなあ……と思う今日この頃だった。知り合いの人でも20代の頃、くも膜下で倒れたという人がいたし……。
私自身も5月末ぐらいから仕事仕事でふらふらの日々が続き、久々に連続徹夜。6月上旬の誕生日ぐらいはケーキでも食べたいと願っていたが、仕事先で徹夜。とほほな日々であった。そんなこんなある朝、部屋で目覚めると、窓を開けっぱなしで寝ていたせいか鼻水が鼻につまっている感覚があった。起きて鼻をかんで、ぎょっとした。ティッシュがまっかっか。鼻水だと思っていたのは鼻血だったのである。やばいと思った。それ以来、あまり無理をせず「とりあえず睡眠!」を心がけている。やっぱさ、仕事をきちんとやるのは大切だけどさ、身体が資本だものね。
昔とある職場にいたときもものすごく忙しくて、徹夜は日常茶飯事。夏休みをとる間もなく秋が来て、冬が来て……。ある朝、食パンのトーストをかじったとき、奥歯で石を噛んだようなジャリっとした感触があった。パンに何か入っていたのかと思ったら、奥歯が欠けてしまったのだった。ものすごいショックであった。というのも、私は小さい頃から歯が丈夫で、中学生までは虫歯がまったくなくて表彰されるほどだったのだ。大人になってからも、ほとんど歯医者のお世話になったことはなかった。なのに、なのに。すぐさま歯医者に行き診てもらうと、歯のすき間からむし歯になってて、かなり奥までやられてたそうだ。ぜんぜん痛みはなかったのに……。その時も、「身体を大事にしなくては」と心底思った。
どうも私は根がタフなせいか、身体から注意信号が出るまであまりこたえないようである。何年かに一度こういうことがあって、「やっぱ休まなくちゃ!」と旅行などに出かけてみたりする。今年はとある旅行計画を秘密裏に構想中……。
これを読んでくれている方々も、「若さ」を過信しての無理は禁物ですぞ。やっぱり人生は楽しまなくちゃね。