個人的なことで3月中は忙しく毎日を送っていたので特記事項があまりない。数時間寝て起きて、仕事に行って、帰宅してパソコンに向かい、明け方近くに寝る、という日々が続いた。友人のお誘いをあちこち無視し続けていたので、「嫌われたかと思った」と言ってた人もいた……。すまんです。
睡眠不足が続き、電車の中で立ったまま一瞬意識を失いドアに頭をぶつけること度々。しかし人間やる気になればなんとかなるもんだということを実感したひと月であった。
そのようなわけだが、心潤う出来事もあった。
いとうせいこう氏のホームページエッセイ「ボタニカルライフ」に影響を受け、植物生活を始め出したのは先月申し上げたとおりである。
まず手始めとして私は、せいこう氏を見習ってアボガドの種を植えてみることにした。植えるのは、実は2年ほど何も植えずに放っておいたプランターの土。いつかまた何か植えようと思いつつ、放りっぱなしになっていた土だ。そこから新しい鉢に土を移しかえようとしていたその時……。そこには2年前に枯れてしまったハーブ、カモマイルの芽が生えていたのだ! 私は興奮した。だってそりゃ、2年ですよ、2年。その間プランターは野ざらし状態だったというのに……。
帰ってきたカモマイル。帰ってきたウルトラマンのようだが、とにかくそいつは帰ってきた。いや、正確にいうと育っていたのだが。
私はまるで、チューリップの中に親指姫を見つけたときのような心境だった(見つけたことはないけれど)。「君の母たちには辛い思いをさせてすまなかったね」などと思いながら、その子の母であるカモマイルを枯らせてしまった過去を詫びた。「この子はきっと授かりものだ」などと、私はますます親指姫を見つけたおばあさんの気持ちになりきり、その小さな芽を別の鉢に移しかえた。
不思議なこともあるものである。
以来、サクラ草、百合の苗、チューリップの苗……と、どんどん鉢植えの数は増えていった。今のところサクラ草しか咲いてないが、他の連中も早く咲かないかと楽しみである。
チューリップからほんとの親指姫が生まれたらどうしよう……。そんなわけはないか。