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巻第三十一 平成十四年 七月
■ゆがんだ体に喝を入れる(7/6・13)
あとで6月のページをご覧いただくとお分かりでしょうが、6月はかなりあちこちへ出かけ、忙しくしておりました。仕事はわりとお手すきだったのだけれど、これ幸いと友人の誘いに乗っては遊び回ったり、スポーツクラブにせっせと通い……。よってホームページの更新は後回しになり……。と、何度こういう言い訳を書いたことか。すみません。
でもその甲斐あって、少しは腹の筋肉もつき、以前よりは引き締まり、体もやわらかくなりまして。シャドーボクシングとエアロビクスを合わせたような激しいプログラム、「ボディコンバット」に参加できる自信はまだないながらも、1年前と比べると少しは筋力アップしたようで(自己判断)。
今月上旬の週末もマシンメニューをこなしたあと、ふと、前から気になっていたスポーツクラブの一角にある整体マッサージを受けることに。しかし、先客にまだかかっているようで、予約時間を15分過ぎてもまだ呼ばれない。フロントの人いわく、「すみません、先生はいつもサービス満点なもので。今もう一度確認します」。
整体を受けるのは初めてなのでやや緊張。優秀な先生は、その人を見ただけで体の調子が分かるというが、果たして。まず、「緊張しないで自然に立ってみて」と言われるが、つい緊張してしまう。無言で私の全身に目を走らせるおじさん先生。左肩を押さえられる。む、左肩が上がり気味? 続いて背中をチェックされる。自ら去年の「首痛めの顛末」を話しだす私。まあ、それを聞かなくても分かったかもしれないが、先生、「そうだね、首の骨は確かに曲がっているよ」。やっぱりー。ほかに、背中、腰のある位置それぞれ曲がっていると指摘された。うつぶせ、仰向けなどの姿勢で手足の関節をゆるめたり曲げたりしてもらいながら、左右の足の長さが違うことなどを聞く。そういう人もいると話には聞いていたが、自分もそうだったか。
そして、右足の股関節が左よりもだんぜん固いことも実感として分かった。片膝を曲げそれを床に倒して腰をひねるストレッチ(骨盤矯正にいいらしい)をするとき、右足側がやりにくかったのだ。
また、文章を読み続けたりパソコンをすることが多い仕事柄(と趣味柄?)、肩や首がこりやすく、時々マッサージに行っていたが、腰のマッサージはあまりしてもらったことがなかった。ここで背骨沿いに肩から腰まで押してもらったとき、かなりそのあたりの筋肉が固いのが自分でも分かった。先生もかなり力を込めてマッサージしている。
骨盤や背骨のズレを矯正するためのマッサージやストレッチを受けるが、恐れていたような恐いものではなかった。矯正というと首の骨がグギッと鳴るのを思い浮かべるが、初回はそれはなし。終了後、先生いわく、「うん、肩の高さはずいぶん均等になったね」。それから私の骨の状態と、骨の間を通る神経の話を、模型を使って説明される。私の首や背骨で曲がっている箇所、特に首は、腕の神経が走っている所だったようだ。だから去年首を痛めた時、腕にもきてたのね。体が右に傾いているから足も右が短くなり、左右のバランスをとろうとして骨もずれ、周辺の筋肉も引っ張られて緊張していくのだということだ。納得。単に肩こりがひどくてとか足の長さが不揃いとかどうこうという問題ではない大事なことである。「傷も急には治らないでしょ、これもいっぺんに治らないから少しずつやっていくからね」と先生。20分コースを頼んだのに、終わると45分が経っていた。私のあとの予約の人に時間がずれこんでいて、途中からは2人同時に診ていたし。急いでいる時には嫌だけど、先生の熱心な姿勢と大サービスがうれしく、しばらく通おうと思った。
一週間、仕事で連日の深夜帰宅が続きお疲れの翌週も、スポーツクラブ通いついでにまた整体を受ける。先生、相変わらずのサービスぶりで、予約時間に入っていくとまだ先客がいる。私は腰に電気あんまのような温かい物体を乗せられ、うつぶせのまましばし待たされる。それから前回のようなストレッチふうメニューをあれこれ。でも、先生も自分も「おや?」という感じだったが、先週より右の股関節がやわらかくなっている。たった一回でこんなに違うものなのかな。背中から腰にかけての筋肉も、先週よりこっていないようだ。一週間、視神経をさんざ使い、座り仕事でうつむくことが多かったのに……。「今日は首の骨の曲がりを直すよ」と言われ、緊張しているうちに例の「グギッ」というひねりをやられたが、全然痛くはなかった。良かった……。終了後、曲がって横にズレていた骨の箇所は頭に通じる血管が通っているところだと説明される。つまり骨が曲がっていると、血管が圧迫されるのだそうだ。数日前、私にしては珍しく頭痛がひどかったのは、もしやそれが原因? また、骨の一部が右にズレているという原因で「寝ながらテレビ」と「椅子より右寄りにテレビが置いてある」ことなどが思い当たったので、「そんなことはいけないんですよね」と恐る恐る聞いてみると、特に寝ながらテレビなど「もってのほか」と言われてしまいました。すみません。以後、テレビを観るときはなるべく正面で、そして寝ながらテレビはご法度とします。
体が不調の原因、それは体のゆがみにあるのかもしれませんよ。みなさんもご注意を!
初回に整体を受けた帰り、1人で遅い昼食を取っている時、ここ数日連絡の取れないご近所友だち、Oさんに電話をする。大抵は私がメールや電話をすると早めにレスポンスがあるのに、何度か留守電を入れても一向に返事がなかったので、体の弱いOさんのこと、また何かあったのではと少々心配でもあったのだった。久しぶりに電話がつながり、旅行でも病気でもなかったことが分かり、一安心。一緒にお茶をしようと誘うとほどなくやってきたが、前回会った時よりなんだか表情が険しい。聞けば、立て続けにマイナスパワーいっぱいの相談事をあちこちから受けて滅入っていたとか。そういえば、前回会ったときは、駅前なのに拉致未遂(私の想像)に遭ったと言っていたし。夜10時半頃、駅前からOさん宅に延びる通りに駐車していた車から、突然男性が降りてきて、「アンケートに答えてくれませんか」と書類を手に詰め寄ってきたという。そんな時間に道端でなんのアンケートだよ。明らかに変なその状況に恐れをなし、Oさんはとっさに走り去ったとか。振り返ると男は車に戻っていたらしい。ううむ、明らかに変。物騒な事件の多い昨今、駅前といえど油断はできないのか。
前に会った時は伸ばした髪をカールさせてめっきり女っぽかったOさんだったが、それがいけなかったのかと髪を切ってしまったとか。もったいないのう。そんなこんなで気持ちが滅入りがちというOさんに、整体を受けてパワー復活の私は励ましを送るのだった。なぜかここ最近、仕事面で新しい紹介が続いていて、運気には波があるなと感じていたところでもあり。結局流れたけれど、カナダ在住の友人ハルから、家族旅行のアラスカクルーズに一緒に行かないかというお誘いもあったし。そんな電話が1〜2日のうちに立て続けにあったのだった。
体も運気も、少しずついいほうに向かっているのではないかと感じられる今日この頃。たぶん、なんでも要は気の持ちよう。いいほうにと考えることにしよう。
(7/15/2003Up dated)
■痛快「詩のボクシング」(7/12)
友人MIGICOとMさんから、「詩のボクシング」というイベントに誘われていた。もう1人行くはずだった人がいけなくなり、私を誘ってくれたのだ。噂には聞いたことはあったし、面白そうだったので即オーケーの返事。数ヵ月前から楽しみにしていた。
私は観るのは今回が初めてだが、Mさんは東京予選も観たとかで、すっかりハマってしまったとか。全国予選を勝ち抜いてきたつわものどもが、自らの肉声による詩を武器にパンチを繰りだす戦い、とでもいいましょうか。実際にリングを舞台に設置して、ファイト開始にはゴングが鳴る。審査員は作家の川上弘美さん、映画監督の大林宣彦さん、コラムニストの天野祐吉さん、精神科医の香山リカさん、造形作家のヤノベケンジさん、詩人の八木忠栄さん、2代目チャンピオンの倉地久美夫さん。
トーナメント制でまず1戦で16名が競い合う。いずれも個性がはっきりしていて、哀しい詩、変な詩、楽しい詩、どれも楽しめた。朗々と読み上げる人、ラップのようにリズムに乗せる人、演劇っぽい人、パフォーマンスで見せてくれる人、お国なまりをからめて笑わせてくれる人などなど。変質者的な語りで不気味だった浅野忠信ちょい似の船津さん、注目していたのだけれど2戦、3戦と進むうち普通になってしまい、ちょっと残念。
それにしても、朗読を聞いてこれほど何度も大爆笑したことがかつてあったでしょうか。かなり笑わされたこと度々。後日大会の様子はNHKで放映されるようで取材カメラが入っていたが、わりと前の方に座っていた私たちの方向に時々カメラが向いていたので、爆笑している顔、映されていたかも……。
なかでも特に笑わせてもらったのが、優勝した本田まさゆきさんの作品。無表情な顔、ぼそぼそとした声のトーンと、奇妙なユーモア感覚で綴られた詩は妙にマッチしている。決勝戦の「ファミコン」は傑作でした。自身のコンプレックスをユーモアに乗せて語りつつ、言葉遊びしながら、家族への愛情を示し、家業の宣伝までもしてしまう。といってもその場で聞かなかった方にはよく分からないかもしれないけれど、会場には大爆笑と拍手が巻き起こったと申しておきましょう。優勝者の本田さんの、もしもの時のために用意された「2日前に書かれた受賞の言葉」にもかなり笑わせてもらった。学生っぽい風ぼうだったけれど、デザイナーらしい。その時舞台で「ヤフーで僕の名前から検索するとホームページでほかの作品も見られます」とちゃっかりPRしていたので、検索したら出てきました。
決勝戦では、くじ引きでお題を与えられて、即興詩を語るというものもあったけれど、これはいかに名人とはいえ難題だったよう。それまでの冴えとパンチ力が見られず、少々残念。でも、これはかなり難しいよね。決勝に残った2人に与えられたお題は、「カバン」と「先生」。審査員の作家、川上弘美さんの小説に『センセイの鞄』という題があり、審査員コメントでも本人がそのことに触れていたが、お題は審査員にまつわるキーワードからいくつか選ばれていたのかな、と思ったりして。
私もお題に影響されて、↓のような文を書いてみました。ううむ、でもやはり出場者には及ばない……。
(7/15/2003Up dated)◎鞄(カバン)
私のカバンはいつも不安でぱんぱんでした。
「もしも」の時に使うはずのものでいっぱいです。
一日持ち歩いていたのに使わないものもよくあります。
主な品揃えは、朝読む新聞、帰りに読む本、メモ帳、
システム手帳、ミニ家計簿、シャーペン、時には筆箱、仕事の書類。
サングラス、化粧ポーチ、PHS、日焼け止め、
ばんそうこう、コンタクトケース、歯ブラシ、
そして時にはデジタルカメラやCDウオークマンなどなど。
それらが詰まったカバンはまるで何でも出てくるドラえもんのポケット。
けれど私のドラえもんポケットはとても重いのです。
リュックで背負うと少しは軽く感じられるので、
私はリュックを愛用し、不安という大荷物を背負い
あちらこちらへと日々出かけていました。2002年春、私は首を傷めました。
ある朝、首から肩、背中にかけての痛みで起き上がれないほどでした。
腕にも力が入らず、その日は仕事を休み医者に行きました。
着替える時も、歩く時も、座っている時も痛みは続き、体は硬直していました。
首の骨がゆがんで神経を圧迫し、頭を支えきれないほど
肩や首の筋肉が弱っているとあとでわかりました。自分の頭すら支えられないほど体が軟弱になっていたなんて、
自分がちょっと情けなくなりました。
長年の運動不足と座ってばかりのパソコン仕事のツケがきたのでしょう。
箱入り娘でもないのに、私は最近、
箸より重いものを持たないような生活をしていました。それから私はリュックをやめ、カバンを手に持つことにしました。
しかしあまりの重さに腕が抜けそうになりました。
私はカバンの中に詰まった「不安」を減らし軽くしようと吟味しました。
すると、今まで自分がいかに無駄なものを持ち歩いていたかに気付きました。
そしてその日から私のカバンは、ダンベルになりました。あれから1年が過ぎ、手に持つカバンは
日々軽くなっていくように感じられます。
それは詰まっていた不安が減ったのではなく、
私の腕が、肩が、体が、カバンのダンベルで
日々鍛えられ、強くなってきたからなのでしょう。
筋肉は人に見せびらかすためにあるのではなく、
鎧のように自分を守るためにあるのかもしれません。