巻第二十九 平成十五年 五月

※初めての方は一番下からお読みいただくと、日付の順に見られます。


■5月前半ダイジェスト(5/16)

 ふと気付くと5月ももう半ば。そして今年ももうすぐ半分。そして、前回の更新からも、気合いのみで……。毎月、月末から月半ばにかけては仕事の外出が多く、自宅滞在時間が短くて。それが過ぎたら今度は反動で息抜きモードに入ってしまうのですが……。でも必ず前回の更新宣言の内容も書きますからね。本当はすぐ書けばいいのですけれど……。「今更」のことにあえてこだわるのは、最近周囲で訃報が相次ぎ、人の想いなんて、話したり伝えたりしなければそのまま消えていってしまい残らないのだよなあ、なんて思ったりしたからであって。そのことについてはあとで書くつもりの4月分のところででもまた。

◎一週間ぶりの飲酒解禁とタコ焼きパーティ(5/4)

 ちょっと前に、よく会う仕事仲間の人たちと話していて、タコ焼きパーティをやろうということになった。仲間の一人が、以前お好み焼き屋でバイトをしていて、タコ焼きを焼くのが得意だと言っていたので、「じゃあ、お手並み拝見!」ということで企画された。その人、Nさんが実家を解放してくれるということで、食いしんぼで酒飲みの女4名が結集。このメンバーというのは、時々飲みに行くメンツでもある。2月にはトルコ料理屋に2回行って、さんざ飲み食いしまくった。

 当日午後、Nさんの住まいのある川口に赴き、スーパーやリカーショップで買いだし。普段一人ではあまり大量の食料を買わないので、食べ物のお買い物好きのKさんと私はうきうきしながらカートを押して回る。Kさんは、あなた子どもかよ、というぐらいにはしゃいでいた。

 Nさん宅におじゃまし、みんなでタコ焼きともんじゃ、鉄板焼きの準備をする。ご両親がお出かけ中、ということで台所をわりと遠慮なく使わせていただいた。このNさんのおうち、2階にも台所があるのがうらやましい。一戸建てでありながらアパートみたい。

 準備が整ったのが夕方あたり。昼食抜きだった約2名はお腹がすきまくっていた。が、そのうちの1名、私が突然タコ焼き係に任命される。タコ焼き名人自慢のNさんが焼くのだと思っていたけれど、Nさんはとりあえずもんじゃを焼くという。タコ焼きを焼いた経験のあるのは、Nさんと私だけ。そもそもNさんの家のタコ焼き鉄板が割れて壊れてしまったということで、今回は私が鉄板を持参してきたのだった。しかしなあ、もうかれこれ10年ぐらい焼いていないしなあ。けれど仕方なくチャレンジ。温めたタコ焼き鉄板に生地を流し込むと、生地が固すぎ、まずあわてる。急いで他の人に生地を薄めてきてもらい、あたふたと具を乗せ、焼き始める。ブランクがあるうえ、出だしでつまづいたので真剣。みんなが乾杯して鉄板焼きを始めたが、とても私には「とりあえずビール」の余裕がなかったよ。こげこげなものの、なんとか形にしたタコ焼きをみんなで食べる。ちょっと失敗かと思ったが、山芋を生地に入れているからか、まあまあの味。

 私のあたふたぶりを見て、自分のほうがましかもと思ったのかどうか、タコ焼き未経験の2人もその後挑戦。やっぱり焼き始めると、食べたり他のことをする余裕がなくなり、集中している様子がはたからみているとおかしい。しかし、未経験の2人が焼いたタコ焼きは、私のよりきれいな形でちょっとくやしい。そのあと真打ちNさんが焼く。私が過去にバイトで教わったときの手法と異なり、あんまり鉄板の周りに生地を広げない。私が昔教わったやり方は、最初に半分生地を流してから具を乗せ、その上からさらに鉄板の端の方まで溢れるくらい生地を注ぎ、それをかき集めつつくるくる回し続け、だんだん形を整えていくというものだった。しかしNさんは鉄板の丸いくぼみだけに生地と具を入れ、うまく形をまとめていく。ううむ、上手。

 みんなが焼いたタコ焼きをそれぞれ味わってみると、同じ生地なのに微妙に異なるのが面白い。

 そこからだらだらともんじゃや鉄板焼きを食べ続け、飲み続け、休憩してはしゃべり、夜遅くまで。私は、あんまりもんじゃを食べたことがないので新鮮だった。シャンパンにもんじゃって意外といける組みあわせ。

 11時過ぎにおいとまする。あんまり酔っていないつもりだったけど、帰る途中、かなり酔いが回ってきた。体中の血管をアルコールがめぐっているのが実感できる。酔いざましにコンビニでお茶を買い、帰ってがぶ飲み。自宅飲酒禁止の決意から一週間。しばらくアルコールを控えると、飲める体質の人間でもかなり弱くなるなあ。でも、外で飲むときよりは量を飲んだ気がする。じっとしているときはあまり酔っている自覚はなかったけれど。飲み過ぎには注意。まあ、たまにだからいいか。

 久々のホームパーティは楽しかった。ちょっと前は私のところでもよくやっていたのだけど、この頃は全然やっていなかった。外で飲むより安くつくし、くつろげて楽しい。そのうちやるぞ、タコ焼きパーティ第二弾。それに備えて鉄板をNさんちに置いてきてしまったし。

◎何事も始まりがあって終わりがある。そして日々は続く(5/5)

 翌日こどもの日、なんとか2日酔いにならずに早朝目が覚める。しかしどうも若干のアルコールが体内に残っている気がして、すっきりしない。やはり調子に乗って飲むのは今後控えることにしよう。

 この日は、ここ何年もお互いの誕生日を祝いあっている友人、高校の同級生U子と、サンシャインシティのプラネタリウムと水族館へ出かける約束をしていた。3月末に、やはり同級生だったMに久しぶりに会いがてら、一緒に八王子まで遠征して花見して以来だ。その翌日、U子のお父さんが亡くなったとあとで知らされ、せめてお線香をあげに伺おうかと思っていたけれど、U子の都合などもあり会えずじまいだった。U子のお母さんは高3の時に亡くなっていて、すでに両親を失ったという点では私と同じであり、少しはU子の気持ちをわかってあげられる気がして、落ち着いたら会って話を聞こうと思っていた。私も自分の親の葬儀の時はあれこれと忙しく、実家が遠かったという遠慮もあって、あまり友人に知らせを回さなかった。もしかしてU子はそれを覚えてて、自分も遠慮して連絡をしそびれたのかなとも思った。遠慮なんてしなくていいのに、と、友だちの立場としては感じるのだけれど。

 そんなあとなので、気もふさぎがちかと、気晴らしになるかなとプラネタリウムへ誘った。池袋サンシャインシティのプラネタリウムは来月6月1日で閉館になるそうなので、高校時代の一時期地学部に所属していた身としては(そのわりにあまり天文知識はないのだけど)、その前には行かなくてはという気持ちもあった。不思議なもので、何かの終わりが近いとなると、そのものごとに対する関心はつのる。それが当たり前のように、いつもそこにあるときはあまり有り難みを感じないのに。

 人に対する想いにも似たところがある。いつまでも一緒にいられると思っていたり、そばにいて当たり前の人の大切さにはなかなか気付くことが出来ない。失ってから後悔したり、もっと大切に思えば良かったと思いがち。本当はその前から大切にしてあげるべきなのだけれど。

 その日まずU子とランチをして、やはりお父さんの話になり、U子のその後感じていた想いを聞いた。お父さんは寝ているうちに亡くなったそうで、家族はみんなその朝それと気付かずに出かけてしまったらしく、U子は気付いてあげられなかったことや、何も親孝行らしいことができなかったことなんかを後悔していた。でも、うちの場合だって、家族の中で両親両方の死に目に立ち合えたのはわずかに私だけだったし、こればかりは望んでかなうということでもないので、仕方がないことだと思う。私もほんとうに親孝行らしいことは何一つできなかったのでずいぶん情けなく感じたものだけど、中学生の頃に近所で私と同世代の男の子のお葬式があり、その頃母親に言われた言葉、「親より先に死ぬほど親不孝はないんだからね」を思い出し、ほんの少しだけ気が軽くなったりした。そのことを話し、「U子が元気だっただけできっとお父さんは良かったんだよ」と言ったら、U子を泣かせてしまった。う、ごめん。私ももらい泣きしてしまったよ。昼間のイタリアンレストランにそぐわない女2人組。涙を拭いてからプラネタリウムへ。

 番組名は、「星に願いを」。今の時期の星空と星座を紹介がてら、流れ星にからめた話が繰り広げられていく。照明が落ちた会場で、いっぱいの星がちりばめられた天球を見上げていると、うとうとと眠くなってきてしまう。流れ星を疑似体験しながら、「カナダのジャスパーではこんな流れ星がたくさん見えたなあ……」と思い出しているうち、結果、後半居眠りしてしまいました。どうやらU子も寝息を立てていたので、寝ていたらしい。

 それから水族館へ。私は水族館が好きで、葛西や八景島やら品川やら、けっこうあちこち行っている。その日のサンシャイン水族館は、「ナイトアクアリウム」というイベントの最終日。水生生物の夜の生態を観察しよう、というGWイベントで、それに惹かれてU子を誘ったのだった。

 まだ明るいうちにアシカショーで和んだあと、ダイバーの餌付けショーなども見て、館内あちこち見て回る。名前は忘れてしまったけれど、お気に入りは、ヒレをぱたぱたとせわしなく動かして泳ぎ回る小さな魚。見ていると笑える。ナイトアクアリウムの時間になり館内が暗くなると、あちこちで懐中電灯を手にした人たちが歩き回り始めた。私たちも懐中電灯を借りに、入口へ。あちこちの水槽を懐中電灯で照らしてみるが、魚はそれほど明るいときと変わりない様子に見える。ラッコは1度目に見たときは、眠いのか、ただ水面に浮かんでいるだけだったのでつまらなかったが、その後少しは様子に変わりがあったかとまた見に行ってみた。けれど先刻と変わらずただ水面に浮いてゆらゆらと揺れているばかりだった。夜行性というリス(だったか、サルの一種だったか……)は、暗くなったら活動を始めていて、客の懐中電灯スポットライトを浴びせまくられていた。彼らにしたらちょっと迷惑な話だろう。私とU子は「ほれほれまぶしいか!どうだー」と、あちこちの水槽で動物虐待っぽいことをして遊んでしまった。そんなこんなで途中コーヒー休憩をはさみ館内を2巡し、ダイバーの餌付けショー夜の回も見て、満喫して連休を終えたのだった。

 帰り道、さきほど別れたばかりのU子からケイタイメールが入る。なんだろうと思ったら、今日は気晴らしになって楽しかったとのお礼のメールだった。良かった。

 友人たちと過ごした、そんな連休。連休が終わっても、日々は続いていく。

◎眠気は人をだめにする(5/6〜の週)

 前回の更新(5/1)以来、すぐ更新するつもりはあったのでした。でも毎月だいたい月末から翌月半ばは仕事の外出が多く、家にいる滞在時間が短いのだよなあ。それで大概その時期は仕事で一杯いっぱいになり、更新まで手が回らないのだった。

 しかし今月の私は、気合いだけは入っていました。その証拠に、前回の更新から毎日、朝5時に目覚ましをセットしていたのだ。出かける前に毎朝コツコツとパソコンに向かおうという算段だった。でも、だめでした。夜早めに寝て早起きしようと心がけたものの、夜はあまり早く眠れなく、2時3時まで目が冴えてしまうことがしばしば。うとうとしているうち5時の目覚ましが鳴り響くき、止めて、また寝てしまう。そんな日々の繰り返し。結局、昼間ものすごく眠くなってしまうのだけれど、「今日こそ早寝!」と帰ってくるとなぜか目が冴えてしまうのだった。

 一日睡魔と戦って、「私もうダメ! 今日は帰る!」とさっさと帰ってきた日も、その日仕事先の人たちと話題になった、私の着メロを変更すべく、CDを積み上げ曲を選んでいるうち夜中になる始末。おいおい。私の着メロはYESの「Heart of sunrise」のCDからの録音だったのだけど、どうもギターの音がこもっていて、単にジャカジャカした雑音ともとれる音だったのである。せっかくかっこいいイントロなのになー。でもわざわざ録音したんだし、と、しばらく使っていたのであった。前の着メロ、ジャーニーの「Separate ways」は評判良かったんだけどなー。今回はあれこれイントロを検討した結果、以前からの候補、ドアーズの「Light my fire」に。翌日、変えた着メロを「聞いて聞いて!」と仕事先の人たちに聞かせたら、「昨日あんなに疲れたって言って帰ったのにそんなことしてたのー」と呆れられ、笑われてしまった。

 その週、相変わらず起きられないままに5時目覚ましを続けているうち、かなり眠りが浅くなっていたようで、日々だめだめになっていった。なにしろ、しばしば言おうと思っていることと微妙に異なることを言ってしまうのだった。たとえばこうである。
(以下実話)

K「ユースケサンタマリアってほんとうは何者なの。コメディアン?」
私「もともとはミュージシャンらしいよ」
N「ラテンバンドのボーカルだったんだよね」
私「そうそう。だからユースケなんだよね」

 違うのである。私が言いたかったのはむろん、ラテンということで「だからサンタマリア」だったのである。また盛大に笑われた。意図してボケたわけではないのだが。言ってからすぐ、自分で「違う」と気付くのだけれど、なんでそんなこと言ってしまうのか。その後も何度か同じような言い間違いをしでかしてしまった。「もう5時目覚ましなんて無駄なことは止めて、一日ぐっすり寝なさい」と叱られた。

 言い間違いだという自覚もありネタにされ笑われているうちはまだいいけれど、あとで考えると若干不安な気持ちにもなった。というのも、以前仕事でリハビリ医に会って取材をした時、その先生の著書も読ませていただいたが、脳卒中後の後遺症のひとつとして、言いたいことと違うことを言ってしまう症例がそこに出ていたのをふと思い出したから。その先生の奥さんが脳卒中になり、一時期そういう状態になってしまった状態が綴られていた。医師として同様な症例は見てきた人でも、いざ身内のこととなると、かなりショックだったらしい。その後リハビリを続け、改善したそうだけれど。それにしても、言いたいことと違う言葉しか出てこなくなってしまったら……と思うと、なにやら哀しい。見知らぬ人とのコミュニケーションは取りにくくなり、気持ちがふさいであまりしゃべりたくなくなってしまうだろう。

 そんなことも考えているうち、睡眠を優先してしまい、更新が滞ってしまいました。すみません。よく寝て、今後はまた頑張ります。……と言っているうちにこんな時間だ……。おやすみなさい。

(AM3:15 5/16/2003)


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