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巻第二十二 平成十四年 十月


■10月を振り返る・週別ダイジェスト

 10月の更新のはずなのにすでに11月。日増しに風が冷たくなり、秋を通り越して冬の始まりを感じさせる今日この頃、です(これを書いたのは11月上旬)。9月中ばにウインドウズの調子が悪くなってから、インターネットは古いマックのみになっており、なんとなく立ち上げがめんどくさいせいか、更新も滞りがちでして、というのは言い訳。仕事が一段落したのでホームページ更新に精を出そうと気合いを入れたのもつかの間。前半はお仕事、後半はだらだら、ゆるゆると。そんな10月でした。

◎インソムニアウイーク/怒りは人を眠れなくする(第1週)

 来ーる日も来る日もお仕事はー♪あーとからあとかーらやってくるー(「線路は続くよ」のふしで歌ってみましょう)。そんな折り、前週の映画観賞4本で勢いづき、割引日の水曜にまたもや映画を観に。でも今度は昼間からではなく、仕事帰りに最終上映回へ。このあいだ見逃した『インソムニア』。

 すっかりおじさんといえる年齢になってもかっこいいアル・パチーノ目当てで、あんまり前知識を仕入れず行ったけれど、なかなかツボにはまった。外国人男優では、ロバート・ダウニーJr.とジョニー・デップに次ぎ、アル・パチーノは好きな俳優。どちらかというとオヤジ系は苦手な私だが、パチーノは別。若かりし頃から好みだったということもあるけれど、いくら演技が大げさであろうと、見開いた目がイッちゃってて恐かろうと、彼は別格。無条件に許せてしまう。さて今回観た『インソムニア』では、彼のそんな演技面がいい方向に働いたといえるのでは。サイコ系の不気味な内容かと想像していたけれど、ちょっと違っていて。台詞やアクションよりも(一部派手なところはあるけれど)、心理的な戦いや葛藤を重視して描く渋めの内容。

 しみじみと見終わって、余韻にひたりながら深夜に帰宅。そして、メールチェックのためにパソコンを立ち上げてみれば……。仕事のことで、仰天するメールが。聞いてないぞー、しかもメールだけで他の連絡はなしで……こちらにも心構えをするゆとりをくれよー、と一気に頭に血が上り、カッカしてしまった。せっかく一山越えたと思っていたのに。一人怒りのやり場がなく、関係者に、すぐには対処できない旨メールを送る。一緒にその仕事に関わっている友人がちょうどパソコンをしていたようで、すぐに返事をくれたのがせめてものなぐさめ……。そして深夜に怒った余波か、興奮さめやらず、明け方まで眠れず。翌朝(というか同日ね)も朝から出かけたので、あまり眠れなかった。インソムニアを観たあとインソムニア。洒落にならないなー。怒りは人を眠れなくさせる。

 ちなみにこのときの怒りの原因となった追加仕事、あとになってみればまったく無駄な作業となってしまった。今では怒りも消えたけど、ちょっと空しい……。

◎お仕事ウイーク/疲れた人はしばしば間違いをおかす(第2週)

 お怒りゆえの不眠症も長続きせず、睡眠不足が響いて数日後には爆睡。よく眠れるものの、自宅近辺でのひきこもり仕事に慣れていた体には、連日の外出(仕事)と深夜帰宅はかなり響く。

 そんなある日、T銀行に寄り、お金を下ろした。他銀行にも口座を持っているが、今月この銀行には残高が残り少なかったので、ひとまず1万円下ろしたあと、残りの数千円も下ろしてしまおうとカードをATMに入れた。ところが。何度入れても戻ってきてしまう。おかしいなーと思いつつ、もしかして最終残高が数百円というのはATMでは許されないのかと、1000円は残るように引き出してみたらちゃんと引き出せた。

 仕事場所に戻り、「銀行残高が1000円以下だと引き出せないっけ?」と周りの人に聞く。「えー、そんなことないはずだよ」という答え。そこで私はATMの控えを見て気付いた。T銀行に行っておきながら、M銀行のカードを使っていたことに……。しかも2度。ぷち貧乏なときに、手数料2回も引かれてしまうとは、く、くやしい。どうりで思っていたよりあの銀行の残高が少ないと思った。「ATMってば、画面の上に物を置かないでくださいとか言っておせっかいするくらいなら、違う銀行のカードだって教えてくれればいいのに。手数料かかるときだけ教えないなんて、銀行の罠だ」と、自らの間違いを棚に上げくやしがっていたらみんなに笑われた。なんで無意識に他の銀行のカードを使って気付かないのか。くどいようだが、しかも2度。1回目で気付けよ、という感じである。きっと疲れていたのね、私。

 同じ日の夕方、「お先に失礼します」と先に帰る人にみんなが「お疲れさまでしたー」と声をかける中、席に座ったまま「お先に失礼します」と言って作業を続ける人がいた。銀行の件で私を笑ったうちのお一人。自分が何を言ったか気付いていないようだったので、「今、なんて言いました?」と声をかけるとようやく気付いた。またみんなでひとしきり笑った。はあ、みんな疲れているなあ。この日の教訓、疲れた人はしばしば間違いをおかす。要注意。

◎リラックスウイーク/文化・飲酒・温泉の秋(第3週)

 今度こそ、数ヵ月がかりの仕事が一段落。そのうえ遊びのお誘いが連日めじろ押しで、調子に乗ってほいほい出かけてしまう私であった。自宅でひっそり仕事をしていたのは週のうち2日半ほどで、あとは友人たちと出かけたり飲み食いしたり。

 前述の「疲れている人」Kさんとは、東京都現代美術館でそれぞれ美術展を観たあと映画、門前仲町飲み屋探索と、女同士なのになんだかデートっぽいスペシャルコース。美術館でKさんは横尾忠則展を、私は横尾展は一回見ているので、ベルリンの壁崩壊をテーマにした展示会のほうを見た。テーマがテーマだけに、思い入れの強い作品があるのかと思ってみてみたけれど、一見するとベルリンの壁と関係のなさそうな作品が、広い空間を贅沢に使って展示されていた。私にはよくわからないタイプの美術作品もあったが、ギア型の発泡スチロールを不規則に組みあわせて作ったトンネルのような空間は良かった。いい、というよりも、発泡スチロールのトンネルの中にいると、妙に落ち着くのだった。映画『ミクロの決死圏』のように人の体内に入り込んでしまったような感覚にも陥る、不思議な空間。ここと外との行き来が「壁」を象徴的に表現したものなのかとも思った。その隣りのホールの、荒涼とした大地を思わせるインスタレーションも、スコーンと高く突き抜ける空間をなによりも効果的に使っていて、心地いいものだった。窓と天井から午後の光が差し込み、どこか神々しさが漂っていた。芸術を理論的に語ることはできないけれど、感じたままに受け止めると、その日の印象はそんなふうになる。

 一人で美術鑑賞したあとは、Kさんと合流し映画『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』(音楽は良かったけど、内容はけっこう笑えた)を観て、大いに食べ、そして飲む。芸術の秋、食欲の秋。ここのところ休日も地元ひきこもりが多かったので、久しぶりに遊びづくしで一日を堪能した。

 そして翌日は、友人MUGICOのお誘いで、深大寺温泉へ。今まで知らなかったけど、いやー、いいお風呂でしたわ。箱根や伊豆まで行かなくても、都下にこんな温泉があるなんて。露天風呂もたくさん。五右衛門風呂から高台に作られた見晴らしのいい檜風呂などなど、全部入っているうちに湯あたりしそうなぐらい。現地集合にしたため私より2時間早く来ていたMUGICOは、実際のところ、あがろうとするときふらついていた。私もひととおりすべての風呂を試し、堪能。ここの温泉では風水も取り入れているようで、露天風呂の各方位の岩に文字が刻まれている。金運の石に腰掛けている人が多かった。

 風呂上がりには深大寺蕎麦と深大寺ビール。初めて訪れた深大寺で、暗いお堂の奥の仏像に興味を示している私とMUGICO。信心深い女二人かと勘違いしたらしいお寺の人は、中に入ってもいいと言ってくれた。お言葉に甘えてあがらせてもらい、しばし何体かの仏像を前に正座し、それぞれ眺めてゆく。今となってみると本尊の姿がなぜかあまり印象に残っていない。脇の不動明王などのほうが印象に残っている。最近、見仏旅行をあまりしていなかったからか、仏像に対する観察力が落ちたかもしれない。仏像は写真に撮れないことが多いから、その形や印象を記憶にとどめようとするとものすごく意識して観察しなければならない。心と目の奥のフイルムに焼き付けるように。まだまだ修業が足りない。

 深大寺は、寺の近くに並ぶ茶店の風情がどこか京都や飛騨を思わせるものがあり、落ち着く場所だ。もっとも私たちが行ったのは平日だからすいていたのかもしれなく、土日には人だらけで風情もなにもあったものではないかもしれないが。まあ、自分の感覚で気に入ったかどうか判断するとしたら、気に入ったほうだ。また行ってみたいと思う。紅葉がきれいなようなので、紅葉のときなどに、いつかまた。

 ◆

※翌週、第4週もリラックスウイーク……。久しぶりにスポーツクラブに行き、太極拳コースに参加してみた。ゆったりとした動きながら、たえまない体の重心移動、片足立ち、反転、開脚などで、けっこう全身を使う。特に足腰。無理なく体を鍛えるのにはいいかもしれない。通えるときにはまた通ってみよう。太極拳の始まりと最後に行なう、体操みたいな「気功」は簡単で、これなら家でもできそう。両手を左右にぶんぶん振ったり、両手を交互に天に突き上げたり。最近運動不足だから、こんなところからでもなにかやらないと。

(11/23/2002Up dated・・・わけあって今更のアップ)


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