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F.D.I
本局総指令部情報
(Japan)

1999


2月


●温泉対談〜みゆき特派員 VS sesami
●西荻探検隊
●Kee特派員一時帰国パーティ
本格モンゴル料理の夕べ・巣鴨にて/台湾心霊話のおまけ付


●みゆき特派員(ロス在住)との海を越えた温泉対談再び!
(2/19/99up)

98年末に日本に一時帰国した、みゆき特派員。年末に秘密会合をセッティングし、その後FDIメンバーとの会合もぜひ設けたいと企画していたが、スケジュールの都合で実現しなかった。日本滞在中のみゆき特派員、昨年の温泉対談で話題にのぼった秋田の乳頭温泉へ行ってきたらしい。いいなあ。局長sesami、先を越される。そんなわけで1月下旬〜2月上旬、アメリカ帰国後の時差ボケに苦しむみゆき特派員との温泉対談が復活したのだった。

(発言は=みゆき特派員、=sesami特派員です)

(み)おまったせいたしやした! ようやく時差ボケも直ってきたみたいです。ここんとこ、日中でも頭スッキリが続いてます。どうやら、やっとHPの更新も手をつけられるかもしれない、、、。ってな訳でようやく温泉のお話の続き。あらためて読み返してみると、そんなに大した質問でないのに答えられる思考能力がなかったなんて、ホーーントに今にして思うと信じられん、、、、。重傷だったのね、、。今回の時差ぼけ。ではでは〜、そろそろいきやしょう。

(s)おばあさまのお見舞ということでまず青森に行かれたそうですが、私、実は東北のうち青森だけは行ったことないんですよ。雪とかけっこう積もってました?
 青森はご親戚のところ回りで、そこではまだ温泉旅は始まってなかったのですな。ふむ。

(み)そうです。 今回の旅行はあくまでも、お墓参りと、祖母のお見舞いと、親戚巡りを兼ねていたんで、、、。
 雪の方は、前日あたりから、猛吹雪のニュースがすごかったんですけど、私が行ったのは太平洋側の青森。なので、雪の量は大した事ありませんでした。 でも、親戚の家の割と側に十和田湖がありまして、、そこへ行った時はさすがにすごい雪でしたけど、、、、。冬の十和田、、、なかなか行けるもんではないんで、、、すごく良かったです。秋田側に入った時は名物の「きりたんぽ」も食べました。今度は是非、夏の十和田に行ってみたいですねー。

(s)ではでは、私も今後ぜひ行ってみたいと思っている乳頭温泉のご感想をば。雪見温泉はどないでしたか? 話好きの地元のおばちゃんとか、話しかけてきてなんか情報とかありました? ここはお風呂入りにいっただけでしたっけ? もしお泊まりだったら、宿のご感想もぜひーー。

(み)はーーー。乳頭温泉。いやぁー。こーしてロサンゼルスに帰ってきてみると本当に行ったのかなーーって感じです。今だにあれは幻だったのではないかと思ったりしてしまいます。
 sesamiさんから、ここの温泉の事を聞いたのは確か、昨年の秋頃でしたよねーーー。もうその時は、名前の強烈さと、秋田の山奥って事で、私にはまったく縁がないと思っていたのですが、、、、。
今回、訪ねた最後の親戚宅が盛岡で、、、。乳頭温泉の入り口は田沢湖。盛岡から田沢湖までは「こまち」でほんの30分!!! こりゃー行くしかないってカンジでした。田沢湖は幼い時に行ったのですが、古ぼけた無人の駅だった筈なんだけど、、、。変わるもんですねーー。新幹線開通の賜物なのでしょう。あまりにも近代化されてた駅にちょっと、寂しさを感じてしまった。まーねー、20年以上は前の話だから当たり前かーーー。で、すっかり近代化されてて、人も近代化(笑)されてた気がします。地元のおばちゃんとか田舎のおばちゃんとか、そういう雰囲気はあまりなかったなー。
 で、肝心の乳頭温泉は田沢湖駅からバスで50分程。雪深いって聞いていたので、バス便心配しましたけど大丈夫でした。ちゃんと運行してましたよ。で、折角なので乳頭温泉に泊まりました。盛岡から予約を入れたのですが、旅行センターからは、もー乳頭温泉は大人気なので、とてもとても予約は入りません、って断られてしまって、、、おまけに休日前だったし、、。あきらめて、田沢湖周辺で泊まろうかと思ったのですが、乳頭温泉郷内に「休暇村」っていう国営の宿があるのをガイドブックで見つけて、収容もかなりあるみたいだったんで、いちかばちかで電話をしてみたら、あっさり予約が入ってしまいました。
 お風呂はもちろん、露天風呂付きの温泉。しかも、内湯と外湯の効能が違うというおまけ付き。国営とはいえ、部屋は広くてきれいだし、サービスも食事もとっても良かったし、で、お値段は旅館の半分位。すごく得した気分になってしまった宿でした。で、次の日は乳頭温泉郷内の温泉めぐりをしました。大湯、蟹場、孫六、黒湯、、、。それぞれ休暇村から歩いて、5〜20分位。実際に入ったのは、孫六の湯。もーーー 自然の中のそのままの温泉ってかんじ。雪見の中の混浴露天風呂!!!!!!!! 入ってる側から雪が散らついたりして、、、。温泉番組の案内人になってしまった気分でした、、。 

(s)いいなあ。私も今度行きたい……。ところで、角館も行ってきたんですよね。角館は昔の旧家とか見学できるんでしたよね。
 私は昔、バイクで夏に行ったんですけど、雑貨屋のやもめおじさんと仲良くなったんです。外でカブトムシとか、子猫とか売って(?)て。猫みてたら、中で休んでいきなよって、なっとうたまごめしを食べさせてくれたんですう。そんなお店は気が付かなかったですよね。元気かなあ、あのおっちゃん。
 ところで、今年は雪とかけっこう降ってたのかしら。

(み)ドカ雪が積もってましたねーー。秋田は基本的にドカ雪の地のようですけど、、。角館もsesamiさんのお薦めで足を伸ばしてみた地です。足早に見てまわったんで、あまりゆっくりはできなかったんですけど、、、、。日本の歴史を感じましたねー。改めて、日本の文化というか、生活様式に感嘆しました。素晴らしいです。現実的には維持運営が大変そうな一面もありましたけど、、。なんとか文化遺産として、大切に保存して欲しいですね。

(s)東北の人達って親切な人多いですよね。おもしろい人とかいました?

(み)んーーー、しいて言えば、親戚のおじさんが大変親切で、大変おもしろかった、、、。旦那は方言が何を言っているのかさっぱりわからなかったみたいだけど、、。

(s)私はハタチぐらいのとき、かまくら祭を見に山形〜秋田を冬に一人旅したんだけど、祭を甘くみてて、いきあたりばったりでも宿がとれると思ってたらあやうく泊まれなくなるところだった。

(み)おーー 大変でしたなー。

(s)で、一人部屋のほうが気つかわないのでそれにこだわってたら、しつこく相部屋をすすめられて。それと、行きたいお寺がひとつあって、途中まで歩いてたけどあまりの雪深さにめげて。タクシーで行ったんだけどあの頃はお金なかったから、どんどんメーターがあがるたびに財布の中味心配して。わけもいわず「ここで降ります」って降りたら、「帰りも呼んでね」と連絡先渡されて。今考えると、雪のみちのく女一人旅=自殺!? って思われてたのね。きっと。

(み)一般旅館とかって、女性一人のお泊まりって嫌がるらしいですよねーーー。

(s)最近は一人歓迎の宿とかけっこうあるらしいけど、あの頃はねー。宿でも、タクシーでもそう思われてたに違いない。お寺から結局帰りも歩いたけど、途中でやっぱりめげて。雪深いと、けっこう歩くのも大変で疲れるんだよねー。で、もらったメモのタクシー会社に公衆電話から連絡したら、行きの運転手さんがやってきたよ。なんかね、やっぱり心配してたみたいよ。
 おや。質問するつもりが自分のこと書いてしまった。あと、山形の天童だったかなー。将棋の駒で有名な街。そこは温泉街だったけど、私が泊まったところは露天はなかったなー。

(み)やっぱり、温泉に露天は付き物ですね。今回の乳頭温泉でつくづく思いました。

※なお、2/19更新のアメリカまんもす温泉情報もぜひ併せてお読みくださいませ。


●西荻探検隊、ディープな西荻に潜入!
/西荻の古本屋・ハートランドにて
(2/9)

 西荻探検隊員・BIHIから、西荻のある集まりに顔を出さないかと誘われていた。去年西荻に出来た「ハートランド」という古本屋さんで開かれる、“西荻を愛する人々のための、持ち寄りパーティ”というようなものがあるというのだ。主催者の方は、『ディープ西荻』というフリーペーパーを作っている方々らしい。知り合いのギャラリーのオーナーから誘いを受けたBUHI自身も、どんな方々が来るか分からないとのことだったが、会場である古本屋「ハートランド」は、私としては前から行きたかったところなので、一緒に行ってみることにした。「ハートランド」は、喫茶や椅子のある立ち読み歓迎の古本屋、ということを以前雑誌で知り、関心があったのだった。

 行く前に「家で夕飯食べていってよ」というBUHIの好意を、ありがたくお受けする。行ってみると、彼女の夫が夕食を用意してくれていた。数週間前にBUHIが、包丁で指をざっくり切ってしまったので家事をしにくい、というためもあるようだが、家事にはいたって協力的らしい。うらやましいぞ。正月にも彼女たちから招待されておじゃましたが、私たちが話し込んでいると彼女の夫は雑煮を温めて運んできてくれたのだった。世の男性諸君、見習って〜。って、甘い?

 彼は集まりには行かないということなのでBUHIと二人で出かけることに。その前に、二人が仕事場にしている部屋を少し覗かせてもらったとき、本棚のとある本が目に留まる。アイルランドの詩人、W.B.イェイツであった。学生の頃、恥ずかしながら卒論の題材に選んだことがあったのでそう話すと、イェイツにかなり傾倒しているという彼女の夫は嬉しそうだった。あとでBUHIに聞いたところによると、これまでイェイツについて話のできる人がいなかったのでとっても嬉しかったらしいとのこと。いや、私、そんな詳しいわけじゃないんですけどね。卒論のためにちょっとかじっただけで。でも、そのあとパーティへ行って、「ハートランド」ではいろいろパフォーマンスイベントを行っていることを知り、あることを思いついたのだった。まだ構想段階なので、そのことは実現したら後日また。

 持ち寄りパーティということなので、ワインとチーズなどを買い込み、店へ向かう。会場には、近所のいろんなお店のオーナーさんとか、主催者の方々とか、いろいろな方がいた。料理もみんなたくさん持ってきていて、最初は遠慮がちだった私であるがそのうちいろいろ飲んで食べながら周りの方々と話をする。カメラマン、イラストレーター、ライターの方々などがけっこういた。大道芸人さんもいたっけ(あとでパフォーマンスを披露)。あと、今度バングラディシュで個展をするという写真家の女の子、『中央線の掟』の作者の方とか。実は私はまだその本読んでななかったのだが、彼女の話はとっても面白かった。人が見落としがちな点を、「なぜこうなのか?」ってかなり突っ込んで考察してるし、その生のお話がとっても愉快なのであった。笑った笑った。今度ぜひ著書を読ませていただきます。
 「ハートランド」のオーナーの奥さんに、古本屋さんの裏事情とかも少し聞けて、その日のパーティに参加できてよかったと思った。普段、書店のオーナーさんとかとじっくり話し合える機会なんてなかなかないものね。BUHIは、オーナーさんとエコロジーとか作家の話とか店のポリシーのことなんかを話していたそうだ。BUHIは以前から、この店の本の品揃えのポリシーがよくわからない、と思っていたのでその疑問をぶつけたそうだ。オーナーいわく、「僕が目指しているのはごく普通の古本屋なんですよ」。なるほど。敷居の高い古本屋でなく、親しみやすく、いろんな本がある店ということか。昔、古本屋や一般書店でこわいオーナーに怒鳴られたことのある私としては、かなり応援したい店である。本好きの方、ぜひ一度行ってみてください。

 12時近くなりまだまだ店内は中央線周辺に住む人々で盛り上がっていたが、私はおいとまする。私は中央線沿線在住ではないのであった。BUHIは「うちに泊まっていきなよ」と言ってはくれたが、実は仕事が心配な私であった。

 なかなか刺激を受けた会合だった。そういえば、フリーペーパー『ディープ西荻』のホームページもあるといってたので、今度そこのリンク許可をとろうと思います。ぜひあなたも、西荻のディープな世界へ。


●フランスより一時帰国中のKee特派員主催のホームパーティに潜入!
/八丁堀
(2/13)

 フランスに長期滞在していたKee特派員、日本恋しさに2月上旬に一時帰国した。下旬までの滞在中、そのあいだに友人知人となるべく大勢会いたいということで、パーティを企画。持ち寄りパーティということで何か作っていこうと思ったが、前日仕事が片付かず徹夜していたため、途中でお惣菜などを買って行く。今回は秘境のメンバーというよりはKeeの交友関係が中心であり、気軽に友達も呼んでくださいとのことだったので、私の園芸師匠であるご近所友達も誘う。会場は、Keeの知人の写真スタジオ。着くと、FDI会長・MUGICOもいた。これまでKeeと会うときは秘境の会合がほとんどだったが、今回は私やMUGICOの知らない方々がほとんど。イラストレーターのKeeと同業者や、カメラマン、ねんど造形作家さんなどなどがいたようだ。すべての方々と話したわけではなかったが、彼女は交流広いのだなあ。確かにこれだけ知人友人がいれば、いっぺんに会ったほうが合理的だろう。

 普段仕事をしていると、特定の業種の人としかつきあいがなかったり、家にこもって仕事をしていると人と話す機会も減ったりする。だから先日の西荻に続き、今回のような集まりでそれぞれの仕事の話を聞いたり意見を交すことができるのは、貴重なひとときだ。

 Keeは数ヵ月前にはパソコン知識はほとんどなかったのに、フランス行きを控えてメールを始めるは、デジカメを活用してるわで、たいしたものだ。それに、フランス滞在中は語学や絵の勉強をしてるだけかと思ったら、日本の仕事もしているらしい。その構想を話してくれたのはほんの半年ぐらい前なのに、見上げた行動力。世界のどこにいても仕事できるベースづくり……。私もこれから目指したいなあ、と思う局長sesamiであった。でも、思うだけなら誰でもできる。まずは具体的なことをやっていかなくてはならないのだよね。


●メンバー近況/FDIメンバーの電脳化進む!

 昨年末だったか1月だったかに、まる特派員がiMacを買ったのに続き、せいか特派員も今月iMacを購入。96年に私のこのホームページがまだ構想段階で、メンバーに登録リスト用のアンケートを呼びかけたときにはまだ誰もインターネットを始めてはいなかった。私を含む数名がMacを所有していただけだった。デザイナーのKUMI(登録リストがないので、F-fileには入っていない)などは、「どんどんバージョンアップしていって買い換えしていきたくなるから、家に持っているのは大変。仕事だけで十分」と言っていたが、今では自宅に所有している。ワープロ機能しかほとんど使わない面々も、私や何人かのいろんな話を聞かせ続けられるうちに影響を受けたのか、Mac 自宅所有者が増えた。これで、ほぼ2年をかけた私の構想は徐々に実現化してきた。FDIのメンバー間での連絡も、Eメールだと時間を気にせず気軽にやりとりできる。しかもKee特派員のように海外にいるメンバーとの連絡もスピーディだし。
 これが仕事などにも結び付くと面白いよなあ、と思う局長sesamiであった。


本格モンゴル料理の夕べ・巣鴨にて/台湾心霊話のおまけ付(2/26)

 モンゴルをこよなく愛するリンムー特派員の呼びかけで開かれた“本格モンゴル料理の夕べ”。あちこちのモンゴル料理を食べ歩いた経験から、一番本場の味に近いという店へ連れて行ってくれるという。土日は数週間先まで予約で満席のことが多いとかで、平日金曜の夜の開催となった。マリアン特派員は羊肉が嫌いなくせになぜか「モンゴル料理を食べにいこう」と、この頃リンムー特派員を誘い続けていたという。変な人……。というわけで、久しぶりにマリアン特派員も参加。

◎出席者:sesami、リンムー、マリアン、まさみ、新規入会希望者Kさん(リンムーのモンゴル旅行仲間)

 巣鴨駅で待ち合わせ。1月に韓国に行ってきたまさみ特派員から、韓国みやげの海苔とかアカスリ布などをもらう。ありがとう。骨付カルビたくさん食べてきて滞在中で2キロ太ったとか。

 今回の店の名は「シリンゴル」。店員さんは民族衣装を着ており、店内にはモンゴルで使われている楽器やポットなどが飾られている。
 リンムーの説明によると、この店のメニューはどちらかというと内蒙古の影響を受けているとのこと。というか、本当のモンゴル料理というと、羊肉の塩ゆでぐらいしかないらしい。遊牧民は元来、農耕する習慣がなかったし、土を掘り起こすということは草原を駄目にするというわけで、野菜を作って食べるということをしない。ツアーでゲル(遊牧民のテント)に泊めてもらってる間は、ほとんどずっと羊肉か乳製品ばかりを食べ続けることになるそうだ。それでもここ何年かモンゴルに通ううち、ジャガイモや葉っぱものなどの野菜も見かけるようになったとか。

 メニューを選んでいる間、サービスドリンクのモンゴルミルクティーを飲む。『スーテツェ』というそうで、ちょっと塩味だがおいしい。リンムーおすすめの品々をいくつか注文。お酒は、モンゴルウォッカの『アルヒ』、牛乳のように白い『アイラグ』、飲めない者はソフトドリンクなどを銘々頼む。アルヒはアルコール度が40度あるということだが、ひとくち味見させてもらった感じでは、普通のウォッカよりは飲みやすかったような。アルラグはヨーグルトのような酸っぱい味で、アルコール度はモンゴルのお酒のなかでは低いほうらしい。でもクイクイ飲んでいるうち、けっこうきいてきた。

 秘境女の会に入会希望のKさんとまずは改めてご挨拶。私とまさみは、彼女とは初対面。リンムーとマリアンとは周知の仲らしい。Kさんの妹さんは、リンムーから噂を聞き、このホームページをご覧になってくれてるとか。いや〜、知らなかった。ありがたいこってす。今度姉妹揃ってプロフィール登録してね。

 そのうち料理が次々と運ばれてくる。羊肉は冷めると臭みが目立つので、運ばれてくるそばからさっそくいただく。私とまさみ、リンムーは「これ匂いする?」というぐらい平気なのだが、マリアンは眉間に皺をよせながら、ひとりで肉の少ない料理を食べる。みんな面白がって、いじめてやろうと「これならどうよ?」と鼻先に持っていく。『ボーズ』という挽肉入り蒸し饅頭は「これならいける」と食べていた。食事するのってチャレンジなのか? マゾだなあ、マリアン。大人になってから好き嫌いが増えたと言っていたが、普通は子どもの頃のほうが多いぞ。「おこちゃま」とみんなでマリアンをからかう。

 それではここで、私たちが食べたモンゴル料理の紹介タイム。

◎シリンゴルオリヤマル……北京ダックの羊肉版。羊肉の細切れ焼きを野菜と一緒にたっぷり巻き込んで、かぶりつく。マリアンは野菜だけ巻いていた。おいおい。
◎ボーズ……さきほどの蒸し肉饅頭。肉汁もおいしい。
◎ショルローグ……羊肉の串焼き。香辛料がたっぷりまぶしてあるので、ぜんぜん臭みは感じない。これ、けっこう私のお気に入り。マリアンもこれは大丈夫。
◎ゴルリンホール……羊肉入りうどん。これは向こうでもよく食べるメニューだそうだ。現地でだと、作り始めてから麺を打ち始めるとか。やっぱりのんびりしているのね。塩味で、なかなかおいしい。日本のうどんほどコシはないけど、手打ち麺がイキイキ。私はスープを最後の最後まで飲ませていただいた。
◎ウンドゲ・トマトホーラッグ……トマトの玉子炒め(羊肉なし)。マリアン用メニューだが、肉に飽きたときの箸休めにちょうどいい。
◎名前は忘れたが、あと、豆腐のごま味噌炒めみたいなもの。

 羊肉の串焼きなどが最もモンゴルらしい料理かと思うが、モンゴルには香辛料はないので、これも内蒙古系のものだとか。ほかのメニューもほとんどが内蒙古系の料理、とリンムーは語る。そういえば、最も現地の食べ方に近い料理(というのだろうか)、骨付肉の塩ゆでを頼み忘れてしまった。ま、肉うどんが似たものだったのかな。羊といえばジンギスカンか香草焼きぐらいしか食べたことなかったが、いろいろあるのね。

 みんながまだ肉料理を食べている頃から、食べられるものがほとんどなくなったとみたマリアンは、「ね、ね、デザートなに食べる?」とうるさい。マリアンはモンゴルでは暮らしていけないな。とはいうものの、デザートといっても種類は少ない。固いドーナツのような揚げパン、アイス、チーズくらい。シメとしてみんなでアイスを食べる。モンゴルにはぜったいないメニューだが、まあここは日本だし。デザートのない生活って、女にはさみしいものなのだよ。

 食った食った。お腹が満たされた頃、Kさんが台湾に行ったときのある話を持ち出した。
 日本人が駐留していたときの名残の、とある温泉旅館があり(×××温泉)、そこには豪華な貴賓室があるということであった。なにかの本でその記事を読んだKさんとその仲間たちは、その旅館にファックスで予約申し込みをしたがなかなか音沙汰がない。行く予定の直前ぐらいに返信がきて、予定どおりその部屋に泊まることとなった。ところが到着して案内されると……その貴賓室までの館内通路というのが、とにかく遠くて窓がひとつもなく不気味な雰囲気だったらしい。部屋にも高いところに一つ窓があるくらいで、暗い雰囲気。しかも案内係は部屋には入らず戻ってしまう。部屋に入ってみると、まんなかにお風呂があって隅のほうに居間があるという、妙な造りだったとか。Kさんはなんとなく嫌〜〜〜な、寒〜〜〜〜い感じがしていたそうだ。特に、風呂場とトイレのあたりが嫌〜〜な感じが強烈にしたらしい。Kさんには見えなかったがほかの数人には自分たち以外に部屋にいる人が見えていたという。一人は男の人で、もう一人は外国人の女性だったとか。誰もがいつ言い出そうかと思っていたのだとか。
 その間、旅行メンバーのうちたった一人だけそういうものを感じなかった女の子は、トイレの鍵が開かなくて30分ぐらい閉じ込められ「ドアの下から手が出てきて変態おじさんにおしりさわられたあ〜」などと明るく言って出てきたそうで、みんなそれで一気に凍り付いた。フロントに電話して「トイレの鍵がこわれているので直しにきてくれ」と訴えても、誰もこない。う〜ん、スタッフも近づきたくないわけありの部屋なのかな〜とみんな怖くなり一度外へ出たものの、けっきょく寝るために戻ってきたが、そのあとも“その人達”は部屋においでだったらしい。見える方々は早々に布団に入ってしまったが、Kさんと妹さんが入浴中に“その人”が風呂場にいるのが見えていたそうだ。Kさんは見えなかったものの、戸を閉めたくなくて、恥ずかしいものの戸を開けっぱなしにしていたとか。うーーん、怖い。

 みんなこの話を興味津々で聞いていたが、マリアンだけは「私ほんとにそういう話だめなの〜」と、トイレに行き「終わった?」。「まだまだ」と私たち。「終わったら呼んでね」と外へ携帯で電話しに行き、寒くなったらしく戻ってきたが、それでもまだ終わってないので席で耳を塞いでいた。ほんとオコチャマみたいですなー。
 それにしても、そういうものが見える人っていうのも大変なような気がするなあ。怖い怖い。このとき集まっていたメンバーは、幸いというかなんというか、そいういうものが見えない人たちであったが。

 ここで書き終えようかと思ったが、そうだそうだ、馬頭琴の演奏のことがまだあった。馬頭琴は、2本の弦の弦楽器で、バイオリンみたいなもの。弾くときの持ち方はチェロみたいな感じかな。弦を調整する柄のてっぺんが馬の頭の形になっており、それで馬頭琴と呼ばれるようだ。
 食事中、そのモンゴル楽器、馬頭琴の名手の男性による生演奏があったのだった。内蒙古歌舞団ではとても有名な人だそうだ。リンムーとKさんは数年前にその方に馬頭琴を習ったことがあるとか。そのうちこの店に通うようになったら先生がいてびっくりしたらしい。そしてリンムーもKさんもマイ馬頭琴を持っているとか。モンゴルマニアだなあ。
 馬頭琴の名手、チンゲルトさんはモンゴルの有名な歌だという「四季」、「私はモンゴル人」、絵本のタイトルにもある「スーホの白い馬」のほか、日本の「荒城の月」を演奏してくれた。私は「スーホの白い馬」が一番好きだった。ほんとうに馬が走っているときのような躍動感があり、軽快かつ複雑なリズムだった。でも、たった2本の弦なのに、驚くほど広がりのある音が出る。もちろんそれは弾き手の腕によるものだろうけど。馬頭琴を習っていたおふたかたに一応聞いてみたら、「もちろんあんな音ぜんぜん出ないよー」とのこと。
 演奏中、モンゴルの民族衣装を着ていたその方は、終了後しばらくすると着替えて調理場で料理を作っていた。そういえばリンムーたちがそう言っていたっけ。最初の頃は、馬頭琴の先生が料理も作っていることにびっくりしてしまったとか。働き者で多才だなあ、チンゲルトさん。

 とまあ長かったですが、そんな“本格モンゴル料理の夕べ”でした。(2/28up)


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